宇宙航空研究開発機構(JAXA)や北海道大学などの分析チームは9日、探査機「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」から持ち帰ったサンプルに大量の水が含まれていたと米科学誌サイエンス(電子版)に発表した。
地球上の水は、太古の昔に小天体の衝突によってもたらされたとする説があり、今回の発見が海の起源の謎を解くカギとなる可能性があるという。
研究チームは、採取した砂や石の化学組成を精密に測定した。
主成分は水を含む粘土鉱物で、その他に炭酸塩鉱物や硫化鉄などが含まれていた。水は質量で全体の約7%を占めていた。液体の水ではなく、ほとんどが酸素と水素の原子が結合した水酸基(OH)の形で存在したが、水の分子(H2O)も確認された。
リュウグウは、太陽系誕生から間もない約46億年前に形成された小天体が分裂してできたと考えられている。
もし、その小天体が40度程度の水を持っていたとすれば、これらの鉱物ができた理由をうまく説明することができる。
一方、サンプルに含まれる酸素原子は、地球の海の水よりも重酸素の割合がやや高かった。
したがって、リュウグウと同質の小天体の衝突だけで、海と同じ水ができたとは言い切れないのです。
太古の地球はドロドロの溶けたマグマのようなものだったと考えられており、どのように水を運んだのかは謎の1つです。
また、地球上には水を含んだ粘土鉱物からなる炭素質隕石が見つかっています。リュウグウのサンプルやこれらの隕石は、太陽系で最も原始的な物質と考えられており、この謎を解く手がかりとなることが期待されています。
岡山大学などの別の研究チームは10日、リュウグウの試料から計23種類のアミノ酸を発見したとする論文を「日本学士院紀要」に発表した。
バリン、ロイシン、イソロイシンなど人体で作れない必須アミノ酸や、エネルギー代謝に関わるアスパラギン酸、旨味成分のグルタミン酸などが発見されたという。
生命の基本を集めることができたのは、本当にすごいことです。
最初にサンプルを分析した人とそのチームは、その瞬間からとても興奮したことでしょう。今ニュースで読むだけでもすごいことです。
ロケットを打ち上げ、サンプルを採取して帰還したチームと、その後にサンプルを分析したチームは、おそらく全く別の工学分野だと思いますが、同じプロジェクトに取り組み、期待される最大限の成果、あるいはそれ以上の成果を上げたことは、本当にすごいことだと思います。
何十年も前のミラー博士の実験もすごいと思いますが、今回の結果も同様にすごいと思います。
生命の起源をめぐる議論に、新たな論点を加えてくれましたね。
続報に期待したいと思います。
はやぶさ2で新たな発見!生命や水の起源が明らかに?