作家で恋愛セラピストの知花麻美は、これまで1万人以上の恋愛相談や不倫の相談にのってきた。打ち明けてくれた男女は、財界人や教育者、芸能人やプロスポーツ選手など、多岐にわたります。今回は、これまで受けた相談の中で最も印象に残った恋愛長続きについて、渾身のレポートをお届けします。
マンガでわかる 不倫夫がラブホテルで必ず「同じ部屋」を予約する “ヤバすぎる理由”
最初は軽い気持ちで
不倫なんて自分には関係ないと思って生きてきたので、いざ自分が当事者となったとき、調子に乗って自制心を失ってしまったんでしょうね。
大手メーカー元専務の国木田秀夫さん(仮名・62歳)は、何度もうなずきながら話してくれた。彼は、35歳の女性、いわゆる「悪女」に翻弄された初めての浮気で、仕事も財産も家族も失ってしまったと告白した。
ゴルフもしないし、夜も出歩かない。酒も接待以外では飲まない。休みの日は、家でのんびり過ごすことが多く、たまに奥さんと道の駅にドライブに行くという普通の中年男である。そんな彼の密かな楽しみは、通勤時間にスマートフォンを取り出し、無料の恋愛コラムを読むこと。これが不倫の入り口だった。
通勤時間に恋愛コラムを読みながら、「いい年した男が若い女に熱を上げるなんて情けない」とか「不倫もいいけど、やっぱり怖いな」などと思いながら、他人の人生の刺激的な結末を楽しく読んでいたのです。そんな時、必ず恋愛アプリの広告が邪魔をしてきました。無料サイトなので、続きを読もうとするとタップしたところに表示される迷惑な存在なのだが、その日は特に何も考えずに、目についた恋愛アプリの広告の中を覗き込んだ。
小箱のチョコレートをつまむような軽い気持ちで広告をタップしたという小北さん。ネットの出会いなど考えたこともなかった世代だ。知的好奇心と「見るだけなら何も問題ない」という免罪符が背中を押した。
いいね!」を返してもらった。
20代から50代までの女性が多く、職業も学生からOL、主婦と幅広いことに驚きました。一方で、みんなアプリを使って外見を整えていて、目が丸かったり、あごが不自然に細かったり。これが出会いの世界か」と思い、気持ち悪いとさえ思いました。
女性も男性の気を引かないと交流できない。男性が出会いアプリで女性に嘘をつくように、女性も「若さを演出するアプリ」を使い、写真を加工して実年齢より若く見せることが多いのです。女性も良い男性との出会いを求めて必死なのです。
そんな見本市… 服や化粧、アプリで着飾った女性たちの中で、小北さんの目に留まったのは、写真もない35歳の女性だった。職業は「看護師」、身長は「148cm」とだけ記されていた。顔が隠れていることから謙虚さを想像し、嘘で塗り固められた美女よりも好感を持ったという。
小柄な女性を想像し、もっと知りたいと「いいね!」マークを押した。私が「いいね!」ボタンを押し、相手も「いいね!」ボタンを押してくれないとメールのやりとりすらできない。
彼女にも「いいね!」を押してほしいし、メールで話してみたい。そんなことを考えながら、1日に何度もアプリをチェックしました。返信を待つ感覚が新鮮で、若いころの恋愛を思い出しました。1週間後、彼女から「いいね!」が返ってきたときは、飛び上がるほどうれしかった。そして、「いいね!」とともに、メールも届きました。まるでラブレターを受け取ったような、ドキドキしながらメールを開いてみると……。
小木田さん、私を見つけてくれてありがとうございます。小北さんに興味を持ちましたので、連絡先を教えていただけませんか?
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